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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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  • from: シニョレッリさん

    2012年09月07日 02時49分41秒

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    リナシメントの美女たち(1)

    ミュンヘンのニンフェンブルク城に美人画ギャラリーがあります。ルートヴィッヒ1世が描かせた36人の美女の肖像画です。彼の愛妾も含まれて中々興味深いと同時に、悪趣味とも思えます。
    今回はリナシメントの肖像画のうち、女性を取り上げますが、誰を描いたか、素性が分からないものばかりにしました。


    アレッソ・バルドヴィネッティの「黄色の服を着た女」です。ロンドンのナショナル・ギャラリーにあります。

    肖像画を描かせるには相当なお金が必要だったようです。ティツィアーノに描かせると300ドゥカート(ヴェネツィア金貨)と言う記録があるそうです。1ドゥカートが10万円くらいと言われているので、3千万円! 他の画家はティツィアーノよりも安いでしょうが、肖像画は高かったのです。という事は描かれた女性はセレブだったことが分かります。


    ティントレットの「胸を開く婦人の肖像」です。マドリッド、プラド美術館にあります。わざわざ豊胸を見せて意味ありげです。

    「リナシメントの」と時代を区切ったので、マニエリスム期までの作品を対象にしました。


    パルマ・イル・ヴェッキオの「女性(ラ・ベッラ)の肖像」です。マドリッドのティッセン・ボルネミッサ美術館にあります。
    彼の女性を描いた肖像画は娘ヴィオランテのものが多いと思います。ヴィオランテにはティツィアーノが夢中でした。


    パオロ・ヴェロネーゼの「美しきヴェネツィアの淑女」です。ルーブル美術館にあります。


    パオロ・ウッチェロの「若い女性の肖像」です。メトロポリタン美術館の所蔵です。


    アントニオ・デル・ポッライウオーロの「女性の肖像」です。ミラノのポルディ・ペッツォーリ美術館にあります。同美術館のシンボルになっている作品です。


    パルミジャニーノの「アンテア」です。ナポリ、カポディモンテ美術館にあります。先ごろ、日本に来ていましたね。
    彼女は貴婦人、高級娼婦の二説があり、論争が絶えません。

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コメント: 全2件

from: シニョレッリさん

2012年09月21日 02時57分59秒

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「リナシメントの美女たち(3)」
リナシメントの美女たちは今回で終了です。


ラファエッロの「ナポリ副王妃ドナ・イザベルの肖像」です。ルーブル美術館にあります。
ナポリ副王と言えば、有名な副王の娘を直ぐに思い出します。

ブロンズィーノの「エレオノーラ・ディ・トレドと息子ジョヴァンニの肖像」です。ウッフィツィ美術館にあります。エレオノーラはナポリ副王の娘で、コジモ1世の妻です。エレオノーラには晩年の肖像画が幾つか残されていて、それを見ると少し気の毒になります。彼女はこの豪華な衣装を着た姿で埋葬されました。


ロレンツォ・コスタの「真珠のネックレスを付けた女の肖像」です。ボストン美術館の所蔵です。肖像画とは言え、コスタの特徴が良く出ている作品と思います。


ロレンツォ・ディ・クレディの「若い女性の肖像」です。メトロポリタン美術館にあります。


ティツィアーノの「ヴィオランテの肖像」です。ティツィアーノは彼女が好きで好きでたまりませんでした。


パオロ・ヴェロネーゼの「イサベッラ・グエッリエリ・ゴンザーガ・カノッサの肖像」です。ルーブル美術館の所蔵です。


セバスティアーノ・デル・ピオンボの「若い女性の肖像」です。ウッフィツィ美術館にあります。

画家の表現によって、その人の印象が随分変わると思います。
作品画像を見つけるのが大変でした。

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from: シニョレッリさん

2012年09月14日 03時32分54秒

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「リナシメントの美女たち(2)」
今回は有名人?ばかりを取り上げます。


ドメニコ・ギルランダイオの「ジョヴァンナ・トルナブオーニの肖像」です。マドリッド、ティッセン・ボルネミッサ美術館にあります。
彼女をリナシメント期の最高の美人としている美術本が幾つかあります。フィレンツェの有力貴族アルビッツィ家の令嬢で、ジョヴァンナ・デリ・アルビッツィとも呼ばれます。彼女の二度目の嫁ぎ先がトルナブオーニ家だったそうです。


レオナルド・ダ・ヴィンチの「チェチリア・ガッレラーニの肖像」です。クラコフのチャルトリスキ美術館の所蔵です。
クラコフに行ったことがありませんが、10年ほど前にロンドンで、思いがけず2010年3月にウィーンでこの作品を観ました。出張展示は嫌いですが、この時だけは感謝しました。
チェチリアはミラノ公イル・モーロの愛妾で、才女として有名でした。イル・モーロとの間に庶子がいました。


アンブロージョ・デ・プレディスの「ベアトリーチェ・デステの肖像」です。ミラノのアンブロジアーナ美術館にあります。割合小さな作品です。2012年4月ですが、何故かこの作品の制作者欄がわざわざ消されていました。
ベアトリーチェはあの有名なイザベッラの妹で、イル・モーロの正妻、つまりミラノ公妃でした。姉と同様に政治力があったそうです。イル・モーロの愛妾チェチリアと同じ城に住んでいましたが、正妻の力を発動して城からチェチリアを追い出しました。イル・モーロは已む無く自分の子を宿したチェチリアを貴族に嫁入りさせました。


サンドロ・ボッティチェッリの「美しきシモネッタ」です。丸紅コレクションの所蔵です。
流石に有名なシモネッタ・ヴェスプッチだけに彼女の肖像画は3点残されています。ロレンツォ・イル・マニーフィコの弟ジュリアーノとの逸話が有名ですが、その時、彼女は人妻でした。


アントニオ・デル・ポッライウオーロの「ルクレツィア・ランドリアーニの肖像」です。ベルリン国立美術館にあります。
彼女はミラノ公ガレアッツォ・マリア・スフォルツァの愛人でした。二人の間に生まれたのが、カテリーナ・スフォルツァ・デ・メディチです。


ロレンツォ・ディ・クレディの「カテリーナ・スフォルツァの肖像」です。フォルリ市立美術館にある筈ですが、2012年4月、フォルリでこの作品を探しましたが見つかりませんでした。以前、あった場所にありませんでした、何故でしょうか。
彼女は歴史上の有名人物なので、説明は不要でしょう。


ラヴィーニア・フォンタナの「自画像」です。ローマのアッカデミア・ディ・サン・ルカにあります。
ウッフィツィ美術館ヴァザーリの回廊にも「トンドの自画像」があります。
ラヴィーニアは美人で有名でしたが、自画像では何故かそれ程の美女として描かなかったと言われています。それでも美人に見えますが。
彼女の自画像は大変な人気で高値で取引されたそうです。グイド・レーニの作品と間違えられた自画像もありますが、この作品もグイド風です。
ピアノ(この時代にピアノは無かったと音楽ファンから叱られそうですが)の前に座った自画像をわざわざ描いたのは、単なる美人ではありません、ピアノは弾けるし、絵も描ける才女なんです、との自負からと私は思います。

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