シエナ共和国の絶頂期に、フランス・ゴシックの影響を、優美で繊細且つ高度に技巧的にして夢幻性を加味した国際ゴシック様式と呼ばれる画風が確立されましたが、その頂点を極めたシモーネ・マルティーニの代表作の一つがこの「マエスタ(荘厳の聖母)」だと思います。

現在もシエナ市庁舎となっているプッブリコ宮です。この一部がシエナ市立美術館になっていますが、ここに「マエスタ」があります。

この作品がシモーネ・マルティーニの「マエスタ」です。
このように掲載すると実感出来ませんが、実際は縦７．６メートル、横９．７メートルの大きな作品で、見上げて鑑賞すると先ずは圧倒されます。

「聖母子」だけの画像です。
フレスコなので、画像の色が少しはっきりしませんが、実際に見ると玉座の黄金色と聖母の服の青色が目立ちます。

シエナの九人委員会(実質的なシエナ政府です）がシモーネに注文したものです。このフレスコの枠縁にシモーネの署名と制作年度1315年の記載があるとのことです。

シエナ派絵画は大好きですが、シエナの教会の全部の作品を見たことがないので、そのうちに1週間程度滞在してシエナ派絵画の全容を掴みたいと思っています。