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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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  • from: シニョレッリさん

    2012年11月26日 08時38分22秒

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    傑作選(8) ドメニコ・ギルランダイオの「聖母の生涯」

    フレスコが得意だったドメニコ・ギルランダイオは、システィーナ礼拝堂、二つの「最後の晩餐」、トルナブオーニ礼拝堂の傑作を残しており、代表作一つを選ぶとすれば迷いますが、私の独断と偏見では、あのリナシメント最高の美人が描かれたトルナブオーニ礼拝堂の「聖母の生涯」が最高傑作だと思います。

    澄み切った秋の青空にレオン・バッティスタ・アルベルティ設計のファサードが良く映えます。
    トルナブオーニ礼拝堂はフィレンツェに於けるドメニコ会の大教会サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の主祭壇背後にあります。

    トルナブオーニ礼拝堂です。
    1485年、ロレンツォ・イル・マニーフィコの叔父ジョヴァンニ・トルナブオーニの注文によって、ドメニコとその工房が壁画装飾を行いました。
    その当時、ミケランジェロはギルランダイオ工房で修業していましたので、このフレスコ制作の手伝いを行ったかも知れないと言われています。この経験が後のシスティーナ礼拝堂の壁画制作に生かされた可能性が高いと思います。
    多くの場面が描かれていますが、その幾つかに当時フィレンツェで活躍した人々が描かれており、更に見るのが楽しくなります。この作品からの肖像画が歴史書などに引用されているくらいです。

    「聖母の生涯」の一場面「ご訪問」です。
    この作品の右から3番目の女性こそリナシメント期最高の美人との説もあるジョヴァンナ・トルナブオーニです。
    他にも美人は沢山いたでしょう。時代は少し違いますがティツィアーノに肖像画を依頼すると料金は300ヴェネツィア金貨との記録が残っており、非常に高価でしたからリナシメント期の最高の美人と言っても、飽く迄も肖像画が残っている、との限定付ですね。

    ついでに彼女単独の肖像画を載せましょう。ドメニコ・ギルランダイオの1488年に制作した作品です。マドリッドのティッセン・ボルネミッサ美術館にあります。

    SMN教会は傑作美術品の宝庫なので、お勧めです。

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