今回はサン・ジミニャーノ、サンタゴスティーノ教会聖歌隊席壁面に描かれたゴッツォリの最高傑作の一つ「聖アウグスティヌスの生涯」を取り上げましょう。勿論フレスコ画です。

聖歌隊席の全景です。この写真の中心にあるのは主祭壇画、ピエロ・デル・ポッライオーロの傑作「聖母戴冠」です。

ご参考までに「聖母戴冠」をアップしましたが、マニエリスムとは関係ないものの、聖母とキリストの人体表現が可なり細く引き伸ばされている様に思えます。

向って左の壁面です。

向って右の壁面です。
メディチ・リッカルディ宮の「マギの礼拝」も傑作ですが、構想の巧みさの点ではこちらの方が稍勝るような気がします。

向かって正面の壁面です。
聖アウグスティヌスの生涯が全部で17場面描かれています。

天井にも描かれています。
豊かで鮮やかな色彩と緻密な描写が光ります。とても1465年頃に完成した作品とは思えません。

第六画面の「ローマで説教する聖アウグスティヌス」です。

中でも傑作とされる第七画面の「ミラノへと旅発つ聖アウグスティヌス」です。私はこの場面が最も好きです。

この第七画面の背景描写が素晴らしい！！

第七画面の右端の赤っぽい服を着た男ですが、ベノッツォの自画像と言われています。

最終画面の「聖アウグスティヌスの死」です。
サンタゴスティーノ教会の左側廊第三礼拝堂にもゴッツォリの「聖セバスティアーノ」(フレスコ）があります。