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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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  • from: シニョレッリさん

    2013年01月27日 08時02分00秒

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    美術館・教会巡り(85) スポレート、サン・アンサーノ教会

    スポレートのサン・アンサーノ教会はあまり有名な教会ではありませんが、興味深い「聖母子」のフレスコ画があるので行ってみました。

    フランチェスコ会の教会で、聖フランチェスコ存命中の12世紀末に建てられた、歴史ある教会だそうです。16世紀、17世紀の二度改修されましたが、古くなったので18世紀末にミラノの建築家アントニオ・ドッティの設計によって新古典様式で建て替えられたそうです。

    クリプタがあるようですが、入り口が閉まっていました。
    聖アンサーノは284年ローマに生まれ、早くからキリスト教に帰依しましたが、それを嫌った父の告発を受け迫害を逃れてシエナに移住し、シエナで説教中に捕えられ303年、僅か19歳の若さで殉教しました。
    聖アイザッコ(アイザック)、又は隠者イサクとも呼ばれましたが、5世紀終わりごろに宗教的迫害を逃れてシリアからスポレートに移住し、スポレートで様々な善行を行って、スポレートの人々から高い信頼を受けた人だそうです。

    教会正面入口上の浮彫は「聖母子と二聖人」ですが、向って左が聖アンサーノ、右が聖アイザッコだと思います。

    内部は小規模な単廊式で、比較的新しく見えます。祭壇画は残念ながら全て18世紀末以降の作品で、私の趣味ではないので写真を載せません。

    この「聖母子」(一部落剝のフレスコ画)だけが、建て替えられる以前の作品だそうです。一旦剥がして、ここに移されたものでしょう。これが美術ファンにとってはこの教会の唯一の見所だと思います。残念ながら、建て替えられた時の資料紛失で、一時制作者は不明とされてきましたが、最近新たな資料が見つかり、制作者はロ・スパーニャと特定されました。

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