エンポーリ駅から徒歩7，8分の場所にありますが、中世の時代、この場所は城壁外だったそうです。

「井戸の聖母教会」と勝手に訳したのですが、正式名称をSantuario Madonna del Pozzoと言います。

元々、この場所に教会がありましたが、1523年、火災によって消失し、その後放置され荒地となっていましたが、1621年、アンドレア・ボニスタッリの設計によってブラマンテ・スタイルを踏襲して創建されたそうです。

内部は単廊式ラテン十字形のバロッコ様式で、こじんまりとしています。

主祭壇にある「聖母と聖ヤコポと聖アンドレア・アバーテ」ですが、15世紀に描かれたフレスコ画で焼失した教会のものだそうです。幸運にもこの部分だけが残っていたので、剥離して新教会の主祭壇を飾ることになりました。制作者は不明です。

「聖母の教育」です・これも制作者が不明です。
聖母マリアは3歳から12歳まで両親と別れて神殿で暮らしていて、裁縫や読み書きを学んだとされているので、この画題はあり得ない筈ですが、度々取り上げられています。でも「聖母の教育」を描いた作品は多くないので、その点では、この作品は貴重と言えるでしょう。
このような小さな教会でも見所があるので、丹念に回っていく必要があるのです。