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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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  • from: シニョレッリさん

    2013年08月11日 14時39分07秒

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    ねぇ、どっちが良い?

    皆さんは、次の二つの作品のどちらが良いと思いますか?
    どちらがお好きですか?


    そんなことは決まっているだろう、下の作品だ! と、お叱りを受けることでしょう。
    それは当然、下の作品はカラヴァッジョの作品ですから。

    上の作品は、カルロ・サラチェーニの「聖母の死」です。ローマのサンタ・マリア・デラ・スカラ聖堂にあります。

    下の作品はカラヴァッジョの「聖母の死」です。ルーブル美術館にあります。

    熱心なカラヴァッジョ・ファンならば、予めこれらの作品の事情を御存知なので、この項をここで終わっても十分かと思います。熱心なカラヴァッジョ・ファンの方々は、以下は読み飛ばしてください。

    ローマのサンタ・マリア・デラ・スカラ聖堂から「聖母の死」の注文を受けたカラヴァッジョは、1601‐03年頃に下の作品を仕上げましたが、聖堂から受け取りを拒否されてしまいました。
    当時、「聖母の死」の主題は聖母を清らかに描き、時には生きているように(不思議ですが)、ともあれ賛美して理想的に描くのが普通でした。
    ところが、カラヴァッジョは死人そのもの、リアルに、素足で、しかもやや腐敗が進んで腹が膨張した姿の聖母を描いたのです。それによって厳粛な死そのものと、それと対比させて周囲にいる人々の悲痛さを見事に表現したのです。

    聖堂は改めて「聖母の死」をカルロ・サラチェーニに注文して、完成したのが上の作品です。聖母がまるで生きているように描かれているので、一見すると「聖母の死」の主題と違うように思えますが、聖母を取り囲む人々の悲痛な表情と仕草で「聖母の死」と分かります。この作品は今でも聖堂の祭壇を飾っています。 

    さて、カラヴァッジョの「聖母の死」ですが、カラヴァッジョの実力に心酔し、この作品の価値を分かっていたルーベンスは、当時仕えていたマントヴァ公に購入を勧め、マントヴァ公の所有となりました。ローマ時代のルーベンスはカラヴァッジェスキでした。

    それから、カルロ・サラチェーニもカラヴァッジェスキの一人で、カラヴァッジョに心酔し、彼の作風を模倣しました。

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    Yuko

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