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from: シニョレッリさん
2014/04/06 08:41:15
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リナッシメント芸術家(44) Pietro Paolo Agabiti o Agabito
今回は、15世紀末から16世紀前半にマルケ州で活動した画家であり、彫刻家でもあったピエトロ・パオロ・アガビティを取り上げます。時にAgabitoとも称されています。
Pietro Paolo Agabiti o Agabito(1470cサッソフェッラート生まれ-1540cCupramontanaで没):
父がセラミック工房を営んでいたので、若いころには父の工房で働いていたと思われます。彼の最初期の作品、恐らく15世紀末に描かれたと思われる二つの作品、「聖母戴冠」と「玉座の聖母子と二聖人」(両方ともにパドヴァ市立博物館の所蔵、後者の作品は記録から1497年に描かれた)ですが、ヴェネツィア派の影響が顕著なことから、1497年か、それ以前にヴェネツィアに赴き、多分修行したとされています。
当時、マルケ地方で活躍したカルロ・クリヴェッリに師事したと思われていますが、確実な記録が残されていません。
恐らく1502年までにマルケに戻ったようです。1507年にはイエージに住んでいたことが、1510年以降、サッソフェッラートに画家として登録されていたことが、それぞれ記録に残されています。
このように、彼の画風形成の過程が明らかになっていませんが、当初はチーマ・ダ・コネリアーノやアルヴィーゼ・ヴィヴァリーニのヴェネツィア派の影響が強い画風を形成しましたが、、次第にボローニャのフランチャとフォルリのマルコ・パルメツァーノのエミリア地方の影響を受けた画風に転じるようになりました。しかしながら、新しい動きや独自の画風形成には無縁の存在であり、終生、他の画家たちの模倣に終始することが多い画家でした。
1531年、クプラモンターナ(マルケ州アンコーナ県)の修道院で引退生活に入り、死ぬまで修道院で過ごしました。修道院では作品を残していないようです。
現存する作品は全部で19作品との説が出されていますが、マルケ州の教会や修道院などで記録がないものの、彼の作品と思われる祭壇画が幾つかあることが確認されているので、それ以上あることは間違いないようです。
では、彼の作品画像を見てみましょう。
「聖母子と二聖人」 サッソフェッラート市立美術館の所蔵
「玉座の聖母子と聖パオロと聖セバスティアーノ」 パドヴァ市立博物館の所蔵
「玉座の聖母子と聖マルコとマグダラのマリア」 サッソフェッラート市立美術館の所蔵
「受胎告知」 サッソフェッラート市立美術館の所蔵
「聖ジロラモ」 イエージ市立美術館の所蔵 私のぼけ写真でスイマセン
「聖母子と二聖人」 イエージ市立美術館の所蔵 これも私の写真です。
ややマイナーな画家かも知れませんが、制作後500年経っても彼の名前と作品が残っているだけでも、マイナーとは言えません。
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