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from: シニョレッリさん
2014年04月27日 09時11分55秒
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リナッシメント芸術家(53) Paolo di Giovanni Fei
世界遺産というものは、そもそも運動してなるのではないと思うのです。黙っていても世界中の人々が押し掛けるヴェネツィア、フォロロマーノ、フィレンツェ、シエナなどのイタリアの世界遺産と比べれば、運動して認められる昨今のそれらとは月とスッポンですね。
イタリアは、世界遺産認定の運動をしているのでしょうか?その辺は不案内ですが、運動すれば、直ぐに認定されそうな街や村が目白押しと思います。
今回もシエナ派の画家です。
世界遺産です!
Paolo di Giovanni Fei(1345cサン・クィーリコ・ドルチャ生まれ-1411cシエナで没):14世紀後半から15世紀初頭にかけてシエナを中心におもにシエナ共和国領で活動した画家です。
修業時代の記録が一つも残されていないので、画風形成の過程が良く分っていません。
しかし、彼の初期の作品がフランチェスコ・ディ・ヴァッヌッチオとしばしば混同されてきたことから、ヴァッヌッチオの協力者だったアンドレア・ヴァンニを経由して、ヴァッヌッチオの作風がパオロに伝わったと考えれています。つまり、パオロはアンドレア・ヴァンニに師事したと考えられているのです。
1369年にシエナ市民として登録された記録が残っています。また、1389年からシエナの画家ギルドに入った記録も残されています。パオロの最初の署名作品は1381年に制作されました。
シエナ大聖堂の装飾事業に1395年から1410年まで従事した記録が残されています。
アメリカの歴史家Bernard Berenson(1865-1959)によって、パオロの生涯と作品が解明されたそうです。
彼の画風は、シモーネ・マルティーニ、ロレンツェッティ兄弟、バルトロ・ディ・フレディらの強い影響を受けた、典型的な国際ゴシック様式シエナ派のものでしたが、明るい色彩と金を沢山使用した豪華さが特徴とされています。
彼の作風は、サセッタとジョヴァンニ・ディ・パオロに大きな影響を与えたとされています。
では、彼の作品を幾つか見てみましょう。
シエナ派絵画の殿堂である国立シエナ美術館に、彼の作品が4点展示されています。
「磔刑」
「アレッサンドリアの聖女カテリーナの神秘な結婚」
「聖母の誕生」
「玉座の聖母子と洗礼者ヨハネと聖アンドレアと聖フランチェスコと預言者ダニエーレ」
シエナ大聖堂にも彼の作品が2点あります。
そのうちの一つ「ウミルタの聖母」です。
シエナの教会にも彼の作品があると思いますが、撮った写真を全部調べることが億劫なので省略させて下さい。
アメリカ、ワシントンDCのナショナル・ギャラリーにある「聖母の教会への出現」です。
この他に、私が見た、彼の作品リストを載せておきましょう。
ブレラ絵画館:「聖母子」
ナポリ大聖堂:「三位一体」
ラ・スペツィア市立美術館:「受胎告知」
モデナ、エステンセ美術館:「聖母子」
ベルガモ、カッラーラ美術館:「聖母の祭壇画」
ラポラーノ・テルメ(トスカーナ州シエナ県)、サンタ・マリア・アッスンタ教会:「授乳する聖母」
シエナ、サン・ベルナルディーノ教会:「聖母子と聖人たち」
シエナ、サンタ・マリア・スカラ救護院:「聖母子」
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