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from: シニョレッリさん
2014/04/29 10:28:11
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リナッシメント芸術家(54) Marcello Venusti
今回は、ミケランジェロとの長い奇妙な交流で知られるマルチェッロ・ヴェヌスティを取り上げます。
Marcello Venusti(1510又は1512頃コモ近くのマッツォ・ディ・ヴァルテッリーナ生まれ~1579ローマで没):16世紀中頃に主にローマで活動したマニエリスム画家で、アレッサンドロ・ファルネーゼ枢機卿から発注された、ミケランジェロの「最後の審判」のコピーで知られています。
ミケランジェロは、粗野で狷介孤高な性格で、終生弟子を取りませんでしたが、同じ画家の中にはダニエーレ・ダ・ヴォルテッラなどのように奇妙にウマが合うと言うのでしょうか、何かと支援を惜しまなかった同業者がいたようで、その中の一人がマルチェッロだったのです。
そのような事から、マルチェッロは、ミケランジェロのデザインや構図に基づいた、幾つかの作品を
制作しています。ミケランジェロがマルチェッロをサポートした理由については良く分らないようです。
修業時代の記録が残されていませんが、恐らくマントヴァで画家としての手ほどきを受けたとされていますが、誰に師事したかは分からないようです。
1540年代にローマに出て、ペリン・デル・ヴァーガ工房で働き始めました。(これは事実です)
ヴァーガ工房で腕を磨くうちに、何時しかミケランジェロと知り合ったようです。ミケランジェロと同性愛の関係だったとの説もあるようです。
彼の画風は、ミケランジェロの追随者以外の何物でもありませんでした。
では、彼の作品を見てみましょう。
ナポリのカポディモンテ美術館です。ここにミケランジェロの「最後の審判」のコピー画が残されています。
コピー画としては、大変出来が良く、彼独自で制作しても後世に名前が残る画家になっていただろうと思います。
ローマのボルゲーゼ美術館です。この美術館の展示作品はどれも質が高いものですが、ここにも彼の作品があります。
「キリストの鞭打ち」です。
ローマのドーリア・パンフォーリ美術館にもマルチェッロの作品があります。
「磔刑」です。
フィレンツェのミケランジェロの家には、ミケランジェロの肖像画があります。
彼が描いた「ミケランジェロの肖像」は、ウッフィツイ美術館にもあります。
ミケランジェロの有名な「聖家族」もマルチェッロ版と言うべき、作品が残されています。
「聖家族」があるロンバルディア州ソンドリオ県Grosottoのマドンナ・デッレ・グラツィエ教会です。
これです。ミケランジェロの作品にそれ程似ているとは思いませんが・・・
こちらは、ロンドン・ナショナル・ギャラリーにある「聖家族」です。ミケランジェロとは全く関係がない、彼独自の作品でしょう。
私が見た彼の作品ですが、上記の他に下記のものがあります。でも作品画像がありません。
カピトリーノ美術館:「栄光の聖母と聖パオロと聖ピエトロ」(1577-78)
ローマ国立古典絵画館(バルベリーニ宮):「ゲッセマネ園で祈るキリスト」
2011年4月にミラノ市立博物館で開催された「ミケランジェロ特別展」でもマルチェッロの作品が幾つか展示されていました。
私は、レオナルド・ダ・ヴィンチよりもミケランジェロが好きですが、ミケランジェロと奇縁があったマルチェッロにも何時しか興味を持つようになった次第です。
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