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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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  • from: シニョレッリさん

    2014年05月18日 08時28分11秒

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    リナシメント芸術家(60) マルコ・パルメッツァーノ

    今回は、盛期ルネサンスにフォルリで活動した画家であり、建築家でもあったマルコ・パルメッツァーノです。

    マルコの「自画像」です。フォルリの市立美術館にあります。

    Marco Parmezzano(1460フォルリ生まれ‐1539フォルリで没):生まれ故郷出身の画家メロッツォ・ダ・フォルリに師事しました。当初の画風は、当然ながら師匠であるメロッツォの影響を受けたものでしたが、次第にMaestoro dei Baldraccaniのスタイルが加味されるようになったことから、Bakdraccaniと何らかの関係があったと推察されていますが、その辺の記録が残されおらず、明らかではありません。Baldraccaniは、15世紀後半から16世紀初頭にフォルリで活動した画家ですが、残された作品以外に記録が全くありません。
    また、ピエロ・デッラ・フランチェスカの数学上の弟子だったルカ・パチョーリから遠近法を学んだとの説があります。師匠に随行してロレートに赴き、師匠のフレスコ画制作に携わった際、ピエロと出会い、その縁でルカに師事したとの説もあるようです。尚、メロッツォはピエロの協力者でした。
    1490年代の前半にローマに赴き、腕を磨きました。師メロッツォは1494年フォルリで没しますが、1493‐1494年にメロッツォとマルコの二人がフォルリのサン・ビアージョ教会フェオ礼拝堂の装飾に従事した記録が残されているので、ローマに行ったのは1494年と思われます。
    ローマに行ってから、更に足を延ばしてエルサレムを訪れ、教会のフレスコ制作に従事したとの説があるのですが、それに関する記録が一切残されていません。
    1495年、ヴェネツィアに住んだ記録が残されています。このヴェネツィア滞在によって、大きな刺激を受け、最終的にマルコの画風を決定付けることになりました。具体的には、16世紀初頭頃からジョヴァンニ・ベッリーニとチーマ・ダ・コネリアーノの強い影響を受けた画風に転じたのです。
    ヴェネツィア滞在は長くても2年間以内だったと推察されていますが、ヴェネツィアからフォルリに戻ると、自分の工房を構えました。仕事でエミリア・ロマーニャ各地やロレートに赴きましたが、それ以外には死ぬまでフォルリに留まりました。
    15世紀後半から16世紀初頭にかけてのヴェネツィア派スタイルに忠実で、マニエリスムの新しい動きとは全く無縁でした。人気があったので沢山の祭壇画を制作しましたが、聖会話スタイルの構図を得意にしていました。
    彼の豊饒の明るい色彩、安定した構図などが気に入っています。チーマのファンなので、それは当然ですが・・・
    では、彼の作品を見ることにしましょう。

    「聖母子と聖人たち」(1493) ミラノのブレラ絵画館にあります。

    「キリストの洗礼」(1535) フォルリ市立美術館の所蔵です。

    「聖母子と聖ジョヴァンニーノ」 パドヴァ市立博物館にあります。

    「死せるキリストを支える二天使」(1510) ルーヴル美術館蔵

    ウッフィツィ美術館にある「磔刑」(1500-10)

    フォルリのサン・ドメニコ美術館にある「聖セバスティアーノ」です。
    この作品は人気があったようで、画家自身による複製が幾つかあるようです。

    「羊飼いの礼拝」 フォルリ市立美術館にあります。
    フォルリには、市立美術館が二か所ありますが、旧サン・ドメニコ教会にある方を通称サン・ドメニコ美術館と称して区別しています。

    ファエンツァ市立美術館にある「大天使ラファエルとトビアス」です。

    「玉座の聖母子と二聖人」 ファエンツァ市立美術館にあります。

    フォルリのサン・メルクアーレ聖堂にある「永遠の父なる神の栄光」

    エミリア・ロマーニャ州を旅すると、必ず目にするのが彼の作品で、一見すれば彼の作品だとすぐに分かるくらいにお馴染みのお気に入りの画家です。

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