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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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  • from: シニョレッリさん

    2014年05月25日 10時11分12秒

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    リナシメント芸術家(61) アルティキエーロ・ダ・ゼーヴィオ

    今回は、14世紀後半にヴェローナとパドヴァで活動した画家アルティキエーロ・ダ・ゼーヴィオを取り上げます。

    Altichiero da Zevio(1330cゼーヴィオ生まれ-1390c/1393ヴェローナで没):名前だけでアルティキーエロと呼ばれることがありますが、ヴェローナ近くのゼーヴィオ出身ということで、ダ・ゼーヴィオと付け加えるのが普通のようです。
    残された作品とそれらの支払い記録以外に、確実な記録が殆ど残されていないので、画風形成の過程を含めて彼の生涯について、詳しいことが分かっていません。
    14世紀の画家の中で、アルティキエーロがジョットのの造形精神を最も理解した画家と言われています。そのことから、ジョットの弟子との説があるのですが、ジョットは1337年にフィレンツェで没し、アルティキエーロの生年を1330年とすれば、僅か7歳の時となるので、その説は懐疑的とされています。恐らく、パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂に描かれたジョットのフレスコ画を深く研究してジョットの作風を取り入れたであろうとされています。
    また、14世紀後半のヴェローナで活動した画家Turone di Maxioに師事したとの説もありますが、これも記録がありません。
    ジョットの他にトンマーゾ・ダ・モデナの影響が認められています。
    また、アルティキエーロの芸術はピサネッロ(1395-1455c)に継承されたとよく言われていますが、アルティキエーロの没年とピサネッロの生年から、これもピサネッロがアルティキエーロの作品を通して学んだと考えるのが妥当とされています。
    ヴェローナ派の創始者とされています。
    当時、ヴェローナを支配していたスカラ家のお抱え画家になり、1364年頃、デラ・スカーラ宮殿のフレスコ装飾に従事しました。この作品は現存していないようです。(私は見たことがありません)
    ヴェローナとパドヴァで幾つかの仕事したようですが、現存するのは、三か所のフレスコ画と美術館にある祭壇画だけと思います。
    では、彼の作品を見てみましょう。

    ヴェローナのカステルヴェッキオ美術館です。

    「聖母子と四聖人」(カステルヴェッキオ美術館像)です。この作品は「Polittico di Boi」と呼ばれるのが普通です。アルティキエーロの帰属作品とされています。

    ヴェローナのサンタナスターシア教会です。

    アルティキエーロの作品だけではなく、幾つかの傑作があるので、この教会は美術ファンの必訪地でしょう。

    カヴァッリ礼拝堂です。

    礼拝堂に向かって右の壁に描かれたフレスコ画がアルティキエーロの作品ですが、礼拝堂祭壇の後方は立ち入り禁止となっているので、良く見えません。

    パドヴァのサンタントニオ聖堂です。この聖堂にもアルティキエーロの作品が残されています。中は撮影禁止となっているので、作品画像はWeb Gallery of Artからの転載です。

    聖堂内のサン・ジャコモ礼拝堂です。ここに彼のフレスコ画が残されています。

    「磔刑」

    「騎士たちに崇められる聖母」

    サンタントニオ聖堂の横にあるサン・ジョルジョ礼拝堂にも彼の作品が残されています。

    こちらの方がサン・ジョルジョ礼拝堂です。

    ここも内部は写真不可なので、Web Gallery of Artからの作品画像転載です。
    壁一面に描かれています。

    祭壇に向かって左の壁

    こちらは右の壁

    祭壇後ろは「磔刑」です。

    「竜を退治する聖ジョルジョ」

    「マギの礼拝」
    ヴェローナとパドヴァに行ったら、これらの作品と出会えます。

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