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from: シニョレッリさん
2015年01月01日 11時19分50秒
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ルネサンス芸術家(65) ソドマ
皆様、
新年、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、今回のソドマですが、どなたがお書きになったのか分かりませんが、日本語のウィキペディアに過不足ない優れた記述があるので、素人の私がこう書くのは僭越なのですが、そちらをご参照していただきたいと存じます。
参照するのは面倒な方もいらっしゃると思いますので、簡単に書いておきましょう。
Giovanni Antonio Bazzi, detto il Sodoma(1477ヴェルチェッリ生まれ-1549シエナで没):
ピエモンテの画家Giovanni Martino Spanzotti(Casale Monferrato1455c-Chivasso1528c)(ザネット・ブガットとヴィンチェンツォ・フォッパの影響を受けた画風で、弟子にソドマのほかにデフェデンテ・フェッラーリがいます)に手ほどきを受けた後、当時ミラノで活躍していたGerolamo Giovenone(1486-1555)に師事しました。
二度にわたるローマ滞在を除けば、生涯のほとんどをシエナで過ごし、シエナ共和国政府の付属画家として活躍しました。
ミラノで修業した彼は、1503年ころ、シエナに移住しましたが、その理由は不明とされているものの、シエナの有力貴族から要請を受けたという説があります。
伝統的なシエナ派様式を基調に、おそらくミラノにおける修行中に受けたレオナルド・だ・ヴィンチの影響を受けながら、16世紀ローマの世紀ルネサンス様式を付加させた手法で描いて、シエナにおける世紀ルネサンスからマニエリスムへの移行に大きく貢献をしたとされています。
初期にはレオナルド・ダ・ヴィンチの強い影響を受けた画風で、彼の作品がレオナルドの作品とされた時期もあったほどでしたが、二度のローマ滞在中に次第にラッファエッロに傾倒して、最終的にラッファエッロ風の画風となりました。
では、彼の作品をいくつか紹介しましょう。
シエナ派絵画の殿堂、シエナ国立美術館です。
「獄中のキリスト」(フレスコ)
シエナ国立美術館にありますが、元々はシエナのサンタゴスティーノ教会にあったものです。
「ゲッセマネ園で祈りキリスト」(フレスコ) シエナ国立美術館にありますが、これもサンタ・ゴスティーノ教会から移されたものです。
「十字架降下」(1510) シエナ国立美術館蔵
「ご誕生」(1504-05) シエナ国立美術館蔵
「荊刑のキリスト」 シエナ国立美術館蔵
「シエナの聖女カテリーナ」 シエナ国立美術館蔵
シエナ市庁舎の市立美術館にも彼の作品があります。
「聖家族と聖レオナルド」(1530c) シエナ市立美術館蔵
アシャーノの参事会教会にも彼の作品があります。
「玉座の聖母子と2大天使」(フレスコ)
ミラノのブレラ絵画館にもソドマの作品があります。
「捕縛されたキリスト」 ブレラ絵画館蔵
有名美術館にもソドマの作品が展示されています。
ウフィッツィ美術館にある「荊刑のキリスト」
フィレンツェ、パラティーナ美術館にある「聖セバスティアーノ」(1525)
ローマ、ボルゲーゼ美術館にある「ピエタ」(1540c)
ローマの国立古典絵画館に2点の作品があります。これは、そのうちの一つである「サビーネ女たちの略奪」(1506-07)
「聖女カテリーナの神秘な結婚」(1539-40) ローマ国立古典絵画館蔵
以上の作品のどれもが彼の傑作や秀作ですが、代表作となると、やはりシエナのサン・ドメニコ聖堂のフレスコ画とアシャーノ郊外のモンテオリヴェート・マッジョーレ修道院にフレスコ画を挙げないわけにはいきません。
シエナのサン・ドメニコ聖堂
サン・ドメニコ聖堂のサンタ・カテリーナ礼拝堂です。
サンタ・カテリーナ礼拝堂に描かれた「聖二コラの斬首」
同礼拝堂の「聖痕を受けた聖女カテリーナ」
テーマは「聖ベネデットの生涯」で、ソドマは17場面を担当しました。私が大好きなルカ・シニョレッリも、この修道院回廊に描きました。
この他にもヴァチカン、ファルネジーナ荘などの傑作がありますが、写真を探すのが大変なので、この辺で作品紹介を終わりたいと思います。
さて、ソドマについては、ヴァザーリの「列伝」でソドマの日ごろの行いを非難しています。これについては、ソドマが「列伝」を愚弄したことへの、ヴァザーリの仕返しと言う説が有力ですが、あながち根拠が全くないとは言い切れず、怠惰と浪費癖によって蓄えが全くなく、赤貧のうちに救護院で死んだとされているようです。
モンテオリヴェート・マッジョーレのサン・ベネデット修道院のフレスコ画がある限り、ソドマの名前は後世に残り続けるだろうと思います。そして、私の大好きな画家の一人です。
皆さんにはおかれましては、彼の作品を一瞥すれば、直ぐにソドマの作品だとお分かりになって欲しいものだと祈念して已みません。
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