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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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  • from: シニョレッリさん

    2015年02月01日 08時56分33秒

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    ルネサンス芸術家(69) ティモテオ・ヴィーティ

    今回は、盛期ルネサンスにウルビーノ、シエナ、ローマ、ボローニャ、マルケ州各地などで活動した画家Timoteo Vitiを取り上げます。他にTimoteo da UlbinoとかTimoteo della Vitiとも呼ばれています。

    ヴァザーリの有名な「列伝」に拠れば、画家だけでなく詩人、音楽家だったとの事です。

    Timoteoは、1469年、画家の息子としてウルビーノで生まれました。祖父のAntonio Alberti(15世紀前半にフェッラーラ生まれ~15世紀後半にウルビーノで没)も画家でした。画家としての腕前は、祖父の方が断然上で、父の腕はさほどではなかったと思います。何故ならば、祖父はボローニャ大聖堂やフェッラーラのサンタントニオ聖堂などにフレスコ画が残っているし、彼の弟子にオノフリオ・ガブリエーリやフラ・カルノヴァーレなどの優れた画家がいたからです。

    祖父と父が営んでいたウルビーノの工房で画家としての手ほどきを受けた後、1490年から1495年までの5年間、ボローニャのフランチャに師事しました。

    1495年ウルビーノに戻り、父の工房を引き継ぎました。また、ウルビーノ公から招聘され、1994年ジョヴァンニ・サンティ(ラッファエッロの父)の死によって空席となっていたウルビーノの宮廷画家に就任しました。
    ラッファエッロがウルビーノを去って、ペルジーノの弟子となったのが1500年頃と言われてますが、1495年から1500年頃まで、Timoteoがラッファエッロの修行に手を貸したか、或いはラッファエッロがTimoteoの弟子になったとされています。

    1513年頃まで、Timoteoはウルビーノをはじめとするマルケ州各地、シエナなどで精力的に仕事を行いました。その間、ジロラーモ・ジェンガと一緒に仕事をしたことがあります。

    1514年、大画家となったラッファエッロから依頼され、ローマに赴き、ラッファエッロ工房の一員としてサンタ・マリア・デッラ・パーチェ教会のフレスコ画装飾に参加しました。

    Timoteoの画風は、師匠のフランチャの画風を引き継いだものでしたが、1514年のローマ行きを切っ掛けにラッファエッロ風の画風に転じました。

    また、芸術面だけでなく、1508年、ウルビーノの執政官に選任され、1513年には主席執政官になるなど、ウルビーノの政治に携わり、政治家としても優秀でした。

    Timoteoに私が感心するのは、ラッファエッロとの関わり合いで、父を亡くしたラッファエッロの修行に手を貸しながらも、華々しい活躍をローマで行う、過っての弟子に呼ばれると躊躇なく協力者となり、画風をラッファエッロ風に変えてしまうという、非常にフランクな点です。

    では、彼の作品を幾つか見ることにしましょう。

    「聖母マリアと洗礼者ヨハネと聖セバスティアーノ」(1514) ミラノ、ブレラ絵画館にあります。

    「聖母子と聖ジョヴァンニーノ」(1500) この作品は2005年頃オークションに出品され、落札され個人像となりました。

    「聖セバスティアーノ」 ウルビーノの国立マルケ美術館にあります。

    「マグダラのマリア」 国立マルケ美術館蔵

    「我に触れるな」 カーイ(マルケ州)のOratorio di Sant'Angelo Minoreにあります。

    「ミューズ・タリア」  フィレンツェのコルシーニ美術館にあります。

    「聖トッマーゾとトゥルーズの聖マルティーノと司教とグイドバルド・ダ・モンテフェルトロ」 ワシントンのナショナル・ギャラリー蔵

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コメント: 全1件

from: にょん太さん

2015年02月04日 19時37分00秒

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シニョレッリさん、

ティモテオ・ヴィーティに関する評論、ご苦労様でした。

ある程度の美術ファンならば、ティモテオは常識の範疇ですが、このサイトではどうでしょうか?
イタリア観光に出かける日本人の99%はティモテオに関心を持たないどころか、丸っきり知らないでしょうね。

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