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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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  • from: シニョレッリさん

    2015年05月20日 09時32分46秒

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    傑作選(92) ニッコロ・ディ・セーニャの「キリストの復活の多翼祭壇画」

    先ず作品画像を見て戴きましょう。

    ニッコロ・ディ・セーニャの「キリストの復活の多翼祭壇画」です。1348年に制作されました。
    Niccolo di Segnaは、シエナ派国際ゴシック様式の画家です。画家だったセーニャ・ディ・ボナヴェントゥーラの息子で、父から画業を習得したと思われます。
    御覧のようにシモーネ・マルティーニの強い影響を受けた画風だったことが分かります。

    聖堂の主祭壇にこの多翼祭壇画があります。

    後先になってしまいましたが、この多翼祭壇画は、サンセポルクロ大聖堂にあります。

    この作品の支払い記録が残されており、それに依れば、ボルゴ・サン・セポルクロのサンタゴスティーノ教会の為に描かれたもので、同教会の主祭壇を飾っていました。
    ところが、具体的な時期や理由が不明ですが、この作品はサンタゴスティーノ教会から大聖堂に移されて現在に至ってます。

    サンセポルクロのサンタゴスティーノ教会です。

    13世紀に建てられたロマネスク様式の建物でしたが、18世紀後半に改築されました。その際に、多翼祭壇画が移されたと言う説があります。

    私の写真では作品の色彩が良く分からないので、外部サイトから作品画像を拝借しました。
    赤と金の対比効果が見事です。

    注目に値するのは、多翼祭壇画の中央部分のキリストの復活です。
    写真がボケていますが、何処かで見たような気がしませんか?

    そうです、これですね。
    ピエロ・デッラ・フランチェスカの傑作「キリストの復活」(フレスコ)です。(サンセポルクロ市立美術館にあります)
    ピエロは、サンタゴスティーノ教会のニッコロの作品から影響を受けたと言われてます。
    あのピエロが参考にしたくらいですから、ニッコロの作品が傑作であるのが分かります。

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