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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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  • from: シニョレッリさん

    2016年01月14日 09時25分55秒

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    美術館・教会巡り(440) ルーゴ、マドンナ・デル・カルミネ教会

    観光客にあまり馴染みのないルーゴですが、見逃せない建造物や芸術作品が幾つかあるので、行く価値が十分ある街でしょう。

    教会はRocca Estenseの近くにあります。

    蚕と絹の取引所だったPavaglioneの向かいに教会があります。

    写真左がPavaglione、右が教会です。

    教会の歴史は古く、ルーゴの起源と同じ時期と考えられてます。

    1071年の文書にこの教会の存在が記されてます。
    街の守護聖人である聖イラーロを奉献する教会だったので、当時、サン・イラーロ教会と呼ばれていました。

    1480年、ルーゴを支配していたボルソ・デステ侯爵の意思によって、カルミネ会の所有となり、マドンナ・デル・カルミネ教会と名称が変更されました。また、修道院が教会横に併設されました。

    18世紀中ごろ、建物が老朽化したため取り壊され、建築家Francesco Petrocchiの設計によって1772年に再建された建物が現在の教会の姿になってます。

    単廊式、ラテン十字形、列柱が左右に並ぶ新古典様式の内部です。

    中央通路の入り口近くから見た左側壁方向です。

    右側壁方向です。

    柱頭の装飾

    主祭壇と後陣

    後陣の装飾

    後陣天井に描かれたピッコーラ・オルシの「カルミネの聖母」
    この画家については全く知りませんし、ネットで調べても全くヒットしません。

    主祭壇画は、周りが暗い上に陰になって良く見えませんでした。

    16世紀の無名画家による「受胎告知」

    17世紀の無名画家による「栄光の聖イラーロ」

    高名なオルガン制作師ガエターナ・アントニオ・カッリードが制作したオルガンです。ロッシーニが演奏したことで有名なオルガンです。

    聖人の彫刻が全部で12体あります。

    制作者など詳細不明です。



    この教会の貴重な作品は二つの「カルミネの聖母」です。

    サロモーネ・デ・グラッシの「カルミネの聖母」(14世紀末)
    サロモーネはジョヴァンニーノ・ダ・グラッシ(ミラノ1350c‐1398)に息子です。父に師事したと思われ、画風も父そっくりです。ただ、父と違って、サロモーネの生涯が良く分かっていない謎の画家です。

    グイドゥッチオ・ダ・イーモラの「カルミネの聖母」(1481)

    ステンドグラスも「カルミネの聖母」です。

    詳細不明の作品

    祭壇前から見た入口方向です。

    外に出ました。

    オルガンと2点の「カルミネの聖母」が素晴らしい教会です。
    この3点を見るだけでルーゴに来る価値あるというものです。

    (おわり)

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