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独断と偏見で楽しむイタリア芸術

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公開 メンバー数:54人

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  • from: シニョレッリさん

    2016年03月26日 11時21分32秒

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    美術館巡り・番外編 カラヴァッジョ展(東京上野・国立西洋美術館)


    現在、東京上野の国立西洋美術館で開催中のカラヴァッジョ展(2016年3月1日から6月12日まで)に行ってきました。

    カラヴァッジョの作品が11点、カラヴァッジョの帰属作品1点の他にカラヴァッジェスキ画家たちの作品など全部で51点の作品が展示されています。
    今まで、イタリアやアメリカなどで開催されたカラヴァッジョ展に行ったことがありますが、カラヴァッジョ作品が多くてもせいぜい6,7点でして、真作が11点、帰属作品1点が集結した今回の特別展は稀有なものです。
    特に普段目にすることが難しい個人蔵の作品が展示されているので、カラヴァッジョ・ファンならば見逃せないと思います。

    展示室はかなり混んでましたが、鑑賞に支障がない混み方でした。切符売り場の行列はありませんでした。

    中は写真禁止だったので、買い求めたガイドブックから写真を拝借です。

    ローマのサン・ルーカ・アッカデミア(画家ギルド)から制作者不明の「カラヴァッジョの肖像」が来ています。

    個人蔵の「マッフェオ・バルベリーニの肖像」(1596c)
    これを見るのは2度目です。この作品は特別展でしか展示されていないので、必見です。この機会を逃すと、次に何時見ることが出来るのか分からない!

    ウッフィツィ美術館にある「メドゥーサ」ではありません。個人蔵の「メドゥーサ」(1597‐98c)で、こちらが初作で、ウッフィツィのものは第2作と考えられてます。
    この作品の所在を聞いたことがありましたが、見るのは今回が初めてです。

    今回の特別展の目玉「法悦のマグダラのマリア」(個人蔵 1606)です。
    カラヴァッジョの「法悦のマグダラのマリア」はよく見かけますが、これは最近の研究によって、真作の第1作とされるものです。イタリアを含めて、この作品の公開は今回が初めてです。勿論、私が観るのも初めてです。

    カラヴァッジョの帰属作品の「子羊の世話をする洗礼者ヨハネ」(個人蔵)
    これも初めて見る作品です。
    私自身は「手が違うなあ」と思いました。

    興味深かったのは、カラヴァッジョの逮捕記録やバリオーネ裁判などの記録などの文書6点がローマ国立文書館から来ていることです。
    ともあれ、この特別展は貴重です、お勧めします。
    期間中、もう1回、場合によっては2回行きたいと思ってます。

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コメント: 全9件

from: ぐら姐さん

2016年04月03日 09時19分40秒

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シニョレッリさん、

名前に釣られて見に行く人がけっこう多いのでしょうね。
その順で行くと、
レオナルド>ボッティチェッリ>カラヴァッジョでしょうか。
上野公園は、花見客で大混雑でしたが、
カラヴァッジョ展は、チケット売り場に行列する人もほとんどなく、
好きで見に行く人にとっては、じっくり見られて幸せなことでした。

個人蔵についてのお話、ありがとうございます。
大半が銀行!困ったときに1枚売ったら、
それだけでかなりな収入になりそうですね。

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from: シニョレッリさん

2016年04月03日 08時17分53秒

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ぐら姐さん、

一昨日、レオナルド・ダ・ヴィンチ展に行きましたが混雑していました。展示作品数及びそれらの質ではカラヴァッジョ展に比較にならないほど小規模で貧弱にも拘らず、カラヴァッジョ展よりも格段に入館者が多かったのは、一般受けと人気の違いと思いました。

個人蔵の大半は銀行所有で、銀行所有の作品数はイタリア国内だけでも30万点以上だそうです。約2万点ほどが貴族や富豪の所有との事ですが、正確なところは全く分からないそうです。

銀行所有作品のうち、ごく一部が美術館に寄託展示されています。
また、私の知っている範囲ではプラートとボローニャで常時一般公開されてます。

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from: ぐら姐さん

2016年04月02日 21時16分52秒

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シニョレッリさん、今晩は。

今日の午後、カラヴァッジョ展に行ってきました。
思ったよりも混んでいなくて、じっくりと観ることができてとてもよかったです。
チケットも、いろんな入手方法があるので、チケット売り場が混まないのもいいと思いました。
(私は前売りを買っていなかったので、
スマートフォンにダウンロードするものを買いました)

図録も、買いました。
じっくり見て、読んで、もう一度見に行こうかと思います。

個人蔵の作品って、いったいどんな人がもっているのかしら、
どのように飾って(あるいは保管して)いるのでしょう・・・
一度、その個人の方の家で拝見してみたいと思ったりなんかして。

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from: シニョレッリさん

2016年03月29日 15時34分47秒

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にょん太さん、

ご指摘有難うございます。

ポルト・エルコレで病死したカラヴァッジョが所持していた作品の一つでしょうか?
いずれにしても、この辺の所は素人には無理ですね。
専門家に任せましょう。

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nono nasakura maria

from: にょん太さん

2016年03月29日 14時11分39秒

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mariaさん、初めまして。

シニョレッリさん、

>ローマの個人蔵の作品は、カラファ・コロンナ夫人が遺産として所有していたものだ

これ違いますよね。
1951年のカラヴァッジョ展に出展されていた後、行方不明になっていた作品が見つかり、鑑定の結果、カラヴァッジョの真筆とされた作品が今回のカラヴァッジョ展で見ることが出来るのです。
1951年の時点で、行方不明だった作品が「マグダラのマリア」の中で最も質が高いとされていました。

上野のカラヴァッジョ展で展示されている作品

別ヴァージョンのもの
二つの作品を並べて実際に見てみないと区別がつきません。

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from: シニョレッリさん

2016年03月27日 16時46分10秒

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mariaさん、

コメント、有難うございます。

私も「マグダラのマリア」に見とれました。

「法悦のマグダラのマリア」ですが、カラヴァッジョ自身による複製画が何枚かあり、他の画家によるコピー画も何枚もあります。今回が世界初展示となる件の作品の隣に、カラヴァッジョ自身による複製画(ナポリやシチリアで20枚程度の複製画が残っているそうです)や他の画家のコピー画があれば、展示されている作品の価値がモット分かるだろうな、と鑑賞しながら勝手に思いました。

ローマの個人蔵のこの作品は、カラファ・コロンナ夫人が遺産として所有していたものだと思います。そのことから、ローマで殺人を犯したカラヴァッジョがコロンナ家を頼って、ラツィオの山の中に逃げ込みましたが、ラツィオ山中にコロンナ家の邸宅が3つあり、そのうちのどれかで描いて、コロンナ家に置いてきた可能性があるとされてます。カラヴァッジョの仇敵のジョヴァンニ・バリオーネを含む、当時の3人の伝記者が「マグダラのマリアはラツィオの山中で制作された』と記しているのです。
カラヴァッジョの父が仕えたカラヴァッジョ侯の夫人コスタンツァはローマの名門貴族コロンナ家の娘で、その縁でカラヴァッジョ侯夫人は逃亡中のカラヴァッジョに支援を続けたと言われてます。

イタリアでは、この「マグダラのマリア」がどうして東京で世界初公開されるのか、ローマ少なくてもイタリアで初公開されるべき、との不平不満が噴出していたそうです。
しかし、東京での初公開は所有者の意向であることが分かって、一件落着と聞いてます。有難いことです。

この作品を見るために、わざわざイギリスから日本に来た友人がいます。

出張展示は時に非常に有難いと思います。

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from: mariaさん

2016年03月27日 12時12分01秒

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シニョレッリ 様、
 いつも楽しく拝見しております。
 私も、上野のカラバッジョ展、開催早々行ってきました。シニョレッリ様の解説で、改めて理解を深める事が出来、感謝申し上げます。
 「マグダラのマリア」くぎ付けになりました。しばらく絵の前から離れられませんでした....。
 私は当分イタリアに行く事が出来ないので、東京で開催される展覧会は有難いです....。

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from: シニョレッリさん

2016年03月27日 08時50分38秒

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にょん太さん、

仰せの通りです、「トカゲに噛まれる少年」も普段、見ることが出来ない作品に含めるべきでした。

今回のように、特別展では個人所有の作品が展示されることがあるので、普段見ることが出来ない作品を観ることが出来る点で、特別展が有難く思える時があります。

ブレラから「エマオの晩餐」、コルシーニから「洗礼者ヨハネ」、パラッツォ・ビアンコから「この人を見よ」が来てますが、それらではカラヴァッジョ作品がそれぞれ1点のみですから、現地に行った入館者からの不満が出そうですね。

ロンドン・ナショナル・ギャラリーの「トカゲに噛まれる少年」

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from: にょん太さん

2016年03月27日 06時52分22秒

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シニョレッリさん、

普通見ることが出来ない作品に「トカゲに噛まれる少年」を含めるべきでしょう。

作品を所有するフィレンツェのFondazione di Studi di Storia dell'Arte Roberto Longhiに行っても事前予約制、而も見学可能な対象者を一応研究者など専門家に限っているので、伝手がないと素人には敷居が高いです。

フィレンツェにある作品

別バージョンの「トカゲに噛まれる少年」がロンドンのナショナル・ギャラリーにあります。←(シニョレッリさんなら常識の範疇ですね)

日頃から「作品は現地で見るべし」の出張展示反対論者のシニョレッリさんは、今回のカラヴァッジョ展だけは例外のようですね。

カラヴァッジョ展は行く価値ありです。

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