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from: シニョレッリさん
2016年05月21日 13時22分17秒
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2016年夏の旅 フォルリのピエロ・デッラ・フランチェスカ展
去年、フォルリに泊まって、「この街は卒業、再び来ることはもうない」と思って街を後にしました。
ところが、今いるんです、フォルリに。その目的は、ただ一つ、現在、フォルリで開催中にピエロ・デッラ・フランチェスカ展に行くためです。
行ってきました。
ピエロが著した数学の本、数学上の弟子のパチョーリがピエロの著作を自分の本として出版された本など、普段、目にすることが出来ない資料などが展示されていて、非常に興味深いものがありました。
しかしながら、残されたピエロの作品が少ないにも拘らず、240点もの作品が展示されていると聞いていたので、果たして、どんな作品が展示されているのか、興味津々でした。
フォルリのサン・ドメニコ教会です。何時も閉まっています、恐らく教会としての機能を停止したものと思われます。
恐らく教会の修道院だった所がフォルリ市立のサン・ドメニコ美術館になってます。
これがピエロ展のモチーフとなっています。
ピエロの「慈悲の聖母」は当然ですが、その隣の作品の意味とか意義が分かりません。
平日だったので、並ぶほどではありませんでしたが、入館者が多く盛況でした。土日になると行列が出来るそうです。
さて、フェリーチェ・カソラ—ティのこの作品がピエロ展のモチーフとされている所に、ピエロ展の方向性を如実に表しています。
色々書いてありました、説明板には。でも、私にはこの作品についてピエロとの関連性をいくら説明されても、それはこじつけであり曲解と思いました。
また、カルロ・カッㇻが画家であり数学者でもあったのですが、その先輩であるピエロを非常に尊敬したことが有名であっても、彼の抽象画からピエロの作品との寒冷性や影響を受けた点などは微塵も感じられませんでした。
フィリッポ・リッピなど同じ時代の画家の作品展示は十分理解できますが、240点の大半が19世紀や20世紀の作品である点は、非常に理解し難いものでした。
でも、その恩恵に私も浴したのです。
シルベストロ・レーガの作品が2点展示されていて、くぎ付けになりました。特にこの作品は個人蔵なので、この目で見るのは初めてです。
少女がお母さんに言うことを熱心に聞いている、そうして教育され成長していくのです。母の慈愛です。
ピッティ宮からはこの作品が展示されてます。ピエロ展に「合唱」を貸してほしいと言われた時には、フィレンツェも驚いた?かもしれませんね。
ピエロの画業上の最重要弟子だったルーカ・シニョレッリの作品が展示されていないことも、この展示の特異性を象徴していると思います。
アメリカから貸し出されている、ピエロの作品とされる「聖母子」は、その真贋について多くの議論がありますが、私はピエロ作品とは思えなかったです。
6月26日までの開催です、ご興味のある方は是非ご覧になってください。
イタリアの芸術の天才が考えた特別展は常人には理解し難かったです。
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