その時 2015/11/04

なにしろエレックの頃は貧乏だし
会社にも余裕なんてないし
レコーディングをする
と言ってもことごとく費用削減でしかなかった

「青春の詩」は１日で仕上げられた
俺もまだレコーディングのノウハウなんて
わからなかったから
会社の言うがままだった
とてもじゃないが音楽的とは言えない
シロモノでも発売する会社だった
コンサートをやりたいと思っても
俺の理想とするバンドなんて
とても雇ってもらえない
広島のアマチュアにバイト料出すのが
精一杯の会社だ

フォークなんかじゃない
ブラスつけてストリングス入れて
派手にロックして・・
結局俺は弾き語りという選択を
するしかなくなる
それは当時まさにフォーク
安上がりで旅に出るにもお気楽で
そういう判断しか出来ないエレックだった

広島時代ロックバンドでR&Bを
やってたからギターには自信はあった
時代は和製フォークソング
俺はその真っ只中に組み込まれていった
今でも思うのだ
その時そこにエレック以外の選択は無かったか？
はるか昔の「その時」である