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from: ゆきながさん
2021年01月09日 17時58分58秒
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姿を見せない不思議なお客様
アート展に出品した、もう一つの作品です。童話塾で作った童話の挿絵として描きました。童話は長いですが、すみません。姿が見えない不思議なお客様雪が降り続い
アート展に出品した、もう一つの作品です。
童話塾で作った童話の挿絵として描きました。童話は長いですが、すみません。
姿が見えない不思議なお客様
雪が降り続いた日の夜。帽子屋の明人は、そろそろ閉店しようかと思い、外を見た。
古い店の壁には昔、ひいひいおじいさんが、キツネから受け取ったという、銅貨が額に入って飾られていた。
「きつねが来たなんて、信じられないよ。ひいひいおじいさんは夢でも見たのだろう」
その時、ドアを優しく叩く音がした。
「こんばんは。姿を見られたくないので、少しだけ、扉を開けてください・・・」
と、女性の声がした。
明人は少しだけドアを開けると、白い手が差し込まれ、
「この手にちょうどいい手袋を下さい」
「先にお代をいただけますか?」
女性が出したお金は本物だったので、明人は赤い手袋をはめてあげた。
「もう片方の手袋をお渡しします。キャンデーも入れておきますね。ありがとうございます」
明人は袋の中に毛糸玉を入れて、そのひと端を出しておいた。
毛糸は雪道の中を森に向かって伸びていた。
明人は糸をたどって行った。悪いことだと、思いつつ・・・
雪は止み、月が白い丘を照らしていた。
キツネたちが集まっていた。真ん中に、美しい娘が踊っている。
その手には赤い手袋が見えた。腰には金色の毛皮の飾りをつけている。
「これ、まじか!」と、明人はぼおっとした。
明人はキツネたちに見つかってしまった。
「あなたはさっきの帽子屋さんですね?」
「後をつけてしまって、ごめんなさい!」
「私と踊りましょう」
「えっ。はい、よ、喜んで・・・」
一緒に踊りながら明人は娘に聞いた。
「どうして、うちの店に来たのですか?」
「昔、私達のご先祖が、あなたの店から暖かい手袋を買ったと語り継がれています。
私は本当にそんな優しい人間がいるのか、確かめたいと思ったのです・・・」
「実は、僕のひいひいおじいさんが、昔、子ぎつねに手袋を売った、と聞いています。
その時のお金は大事にとってあるんですよ。僕は信じられなかったのですが、今、本当だとわかりました!」
明人は娘の手を取り、水色の目をみつめた。
朝、森の中の大きな木の下で明人は目覚めた。
「もう、あの娘には会えないのかな。だが、いい品を作り続けていれば、また来てくれるかもしれない。
素敵な奇跡をありがとう、ひいひいおじいさん・・・」
帽子屋の壁の小さな額。そこには、古い銅貨の隣に、新しい銀貨が飾られた。
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from: SANBAさん
2021年02月24日 17時36分00秒
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ゆきながさん、絵画も文字も慣れですね。
筆ペン講座はテキスト2に入り、教材の筆ペン1本を使い切りました。
水彩色鉛筆画講座は2回目の課題を描いています。
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ゆきなが、