今日は、妻も息子も娘もいない。しかたなしで、わたしに擦り寄ってくるが、相手にしてもらえない。わたしは、どちらかというと猫よりも、犬の方が好きだ。鳴いても鳴いても、３回に１回しか反応してもらえない。
　だいたい、名前がそれぞれ違っている。妻は「チャー」、息子は「ニャンコ」、娘は「この子」、わたしにいたっては「猫」なのだ。夜、寒いとわたしを除く、３人の布団にもぐりこんで眠る。自分では入れないので、顔をトントンする。起きないとつめをたててトントンするそうだ。
　かまってくれる人がいないときは娘の布団の上で眠る。生後１０日ぐらいで、我が家にやってきて一人立ちできるまで、１人で育てたのは、娘だ。もぐりこんで腕を枕にして眠るので、腕が痛いとこぼしている。「おこせば？」というと、「いい、かわいそうだから。」勝てるわけがない。