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from: にょん太さん
2014年06月06日 18時21分05秒
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レオナルド・ダ・ヴィンチの自薦状
ロレンツォ・イル・マニーフィコは、自分がパトロンとなって美術家に制作させることよりも、他の都市国家の支配者の求めに応じて、フィレンツェの美術家を推挙することに熱心でし~た。
レオナルド・ダ・ヴィンチもその一人で、1481年、ミラノの支配者ルドヴィーコ・スフォルツァ通称イル・モーロからロレンツォに対して、フランチェスコ・スフォルツァ騎馬像の制作者派遣の要請があり、ロレンツォはレオナルドを推薦したので~す。
これって不思議ですよねえ。だって、ヴェロッキオ工房では絵画の修行をしたのであって、像なんて作ったことがないのですからね。
推薦を受けたレオナルドは、1482年に自分を売り込むためにイル・モーロ宛てに有名な自薦状を書いたんですよ~。
これがすごい代物で、数十年前に初めて読んだときに口あんぐりでした。
「レオナルド・ダ・ヴィンチの自薦状」で検索すれば、すぐに出てきますので、是非、読んでくださ~い。
これを読めば、レオナルドの性格や何を考えていたのか、分かるのですよ。
自分ができることを10項目挙げていますが、軍事技術者、土木技術者、戦略家として有能で自信があると10項目にわたって売り込んでるんですねえ。
で、最後に「テラコッタで彫刻を制作することが出来る。絵画でも同様に、小生の仕事は誰とも比肩出来る。青銅の騎馬像の制作もできる」と付け足してるんです。
これって凄いです。
だって、ヴェロッキオ工房で修行して、画家ギルドに入って親方としてヴェロッキオ工房で仕事をしたけれど、一度だって、それ以外のことを修業したことがないんですよ。
つまり、独学だけで一流の域に達して、十分自信があるということなんですから-
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コメント: 全2件
from: シニョレッリさん
2014年06月07日 05時32分51秒
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にょん太さん、おはようございます!
レオナルドの自薦状には、私もビックリでした。
現代ならば、差し詰め東京芸術大学で絵画を学んで、幾つかの賞を受賞した将来性ある画家が畑違いの土木建築設計が得意だから、土木建築家として雇ってくれと言っているようなものです。
ロレンツォ・イル・マニフィコの時代がフィレンツェの絶頂期と言われていますが、これは間違いでしょうね。ロレンツォ自身の才の無さ、銀行業務への関心の薄さがあって、メディチ銀行は破綻寸前でしたから、最早、美術家を多く抱えてパトロンとしてやっていけなくなって、美術家の派遣に道を求めたのだと思います。
祖父コジモの時代がフィレンツェ芸術の頂点だったと思います。
レオナルド自身もフィレンツェにおける自分自身の将来性に見切りをつけたので、ミラノに新天地を求めたのでしょう。
システィーナ礼拝堂の装飾事業に際して、当時、名のある美術家のうち、レオナルドだけが何故かお呼びがかからなかった、その事が相当ショックだったと思います。それに師匠ヴェロッキオは、レオナルドではなくボッティチェッリを推挙したらしいことも相当堪えたでしょうね。芸術上では、ボッティチェッリとは意見相違があったレオナルドでしたから。
もう一つの要因は、レオナルドの同性愛嫌疑でしょうね。レオナルドは同性愛の密告を二度されていますよね。一度ならば兎も角、二度の密告は、レオナルドが他の人から妬みや恨みを買っていたことを思わせます。だから、フィレンツェにおける自身の将来性に、やはり懐疑的になったのでしょうね。
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にょん太、
from: にょん太さん
2014年06月07日 09時29分10秒
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シニョレッリさん
的確なコメントをありがとうございます。
システィーナ礼拝堂の仕事の斡旋もロレンツォ・イル・マニーフィコが行ったとされていますよ。
同性愛嫌疑もありますが、レオナルドの極端な遅筆と未完成癖も懸念材料になった可能性があります。
ロレンツォは、パロロネージを発揮してフィレンツェで注文するよりも、外交の窓口であり、支配下にあるフィレンツェの芸術家を派遣することによって、政治的にも文化面でも自己の力を国外にアピールした方が良いと判断したのでしょう。
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