メディチ家にロレンツォが何人もいますが、このトピックはこの人で～す。
ヴェロッキオ作のロレンツォ・イル・マニーフィコ（1449‐1492）の彩色テラコッタ（1480）

ロレンツォの時代がメディチ家の最盛時と言われていますが、メディチ銀行は倒産寸前で、そうではないようで～す。
金欠に陥ったロレンツォは、フィレンツェの公金に手を付け、イル・ポポラーノ兄弟の親族財産から莫大な借金をして、踏み倒したそうですから、穏やかではありませ～ん。（証拠あり）

金がないので、金がかかる建築物のパトロンになるのは困難だったので～す。

ロレンツォが直接金を出した建築物は二つだけと言われてま～す。

そのうちの一つ、ポッジョ・ア・カイアーノのメディチ荘

イル・ポポラーノ兄弟から借金返済を迫られたロレンツォは、所有する二つの別荘を兄弟に譲渡しただけで、残金を踏み倒したので～す。
別荘がなくなったロレンツォは、乏しい所持金の中から、この別荘を新築したので～す。

ロレンツォは、この別荘の設計段階から熱心に参画し、完成後はここでゆっくりと過ごしたそうで～す。
私財を投じて新築したといっても、自分用の別荘ですから、パトロネージとは、少し違うのでは？

アンドレア・デル・サルトの「受胎告知」

アンドレアの作品を急に出しましたが、これには訳があるので～す。

ロレンツォが私財を投じて、パトロネージを発揮した唯一の建物がサン・ガッロ門にあったサン・ガッロ修道院だったので～す。
修道院は、1529年の戦争によって破壊され、残っていませんが、唯一残っているのがアンドレアの「受胎告知」の作品なんですよ。

建築に多大な関心があったロレンツォは、そのパトロネージを助言や決定者としての活動に向けたので～す。

フィレンツェのストロッツィ宮

ストロッツィ家からロレンツォに対して計画段階から参画するように求めたのですが、この巨大な要塞まがいの建物を新築するには政治的側面も考慮する必要があるとして、最高権力者のロレンツォに配慮したとされていま～す。

プラートのサンタ・マリア・デレ・カルチェリ教会

設計が紛糾していたのをロレンツォが裁定したそうで～す。

ピストイア大聖堂

聖堂設計の最終案を決定したのがロレンツォだったそうで～す。

私財を投入しない建築物には多大な関心を示したロレンツォで～す。
大金持ちのメディチ家の印象が覆るロレンツォのパトロネージで～す。