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from: タリーズこだわり調査隊員さん
2022年04月06日 14時04分03秒
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第12回 工場へ行ってきました 「焙煎者インタビュー」
こんにちは。調査隊のイイオ&ニッシーです。
前回に引き続き、静岡にあるタリーズの焙煎工場からお届けします。
今回は焙煎を担当する技術者に話を伺いました。インタビューに答えてくださったのは、タリーズの焙煎を担当して7年、社内で最も焙煎歴が長い、奥柿(おくがき)さん。工場ならではのダイナミックな焙煎の面白さについて、語ってくれました。
一瞬の迷いが何万本ものコーヒーの味に影響
熟練した技術も求められる焙煎作業
イイオ:こんにちは。今日はよろしくお願いします。
奥柿:よろしくお願いします。
イイオ:まず初めに、奥柿さんの担当されているお仕事についてお聞かせいただけますか?
奥柿:この工場には2台の焙煎機がありますが、自分は主にこちらの大きい方の焙煎機(ネプチューン)を担当しています。工場ができた時からある初号機で、深煎りが得意な機械です。
ニッシー:先ほど工場内を見学してきましたが、実際に人の目で豆をチェックしながら、焙煎しているんですね。特に、焼ける直前は何度も何度も豆の状態を確認していて、緊張感が伝わってきました。
奥柿:そうですね。考えている間にも豆の温度はあがっていっているので、どこで止めるべきか迷っている時間はありません。ほんの数秒違えば飲んでわかるレベルに味が変わってきてしまうので、限られた時間で瞬時に判断することが求められますね。
イイオ:微妙な豆の色の違いだけで、判断するのは難しそうです。
奥柿:温度の上がり方については過去にやってきた経験で、このぐらいだなという勘が働きますし、実際に焼いている最中は203〜204度で1ハゼ*、そのあとに2ハゼの音も聞こえるので、そういった情報も参考になりますね。
*焼けた豆がはじけて音がし始める
イイオ:最初に設定する焙煎の温度や時間はどうやって決めるんですか?
奥柿:過去の豆についてはデータをとっているので、PCを見るとプロファイルが分かります。実機を動かす前には、小型機でのテストもしているので、温度と時間の目安はそこでだいたい決まっています。
イイオ:豆のデータがあるんですか。
奥柿:はい、アイテムごとに記録を残しています。豆の産地などによって温度のあがり方も変わってくるので、データは残すようにしていますね。温度の上がり方は冬と夏でも変わりますし、朝きてすぐ1回目の焙煎と日中の焙煎でも異なります。ここにサンプルがあるんですが、この色に合わせるためには条件に応じて、焙煎温度も焙煎時間も都度変えてやる必要があるんです。
ニッシー:長年やっていると迷わなくなるものですか。
奥柿:その日の温度や湿度、豆の水分値など、条件は毎回異なるので、何年やっても悩む瞬間はありますね。L値という焙煎度合いの目安となる「明るさ」を表す数値があって、例えばL値で20などと決めて合わせていくのですが、初めて焙煎するものを一発で決めるのはなかなか難しいです。何年やっても初めての豆は緊張します。
事前に、たとえばコロンビアならコロンビアでL値20にした時に、何度で何分やったのかを確認して、その差を頭でシミュレーションしながらやっていますが、実際に動かしてみないと分からない部分もありますから。それだけに一発で決まると、うれしいですね。
色差計。目指すL値に対して、許される誤差は±0.5。
機械を動かせるだけでは焙煎者ではない
タリーズのコーヒー哲学
イイオ:焙煎の技術はどうやって学んでいくんですか?
奥柿:過去のデータをみたり、先輩社員に機械を教わったり、後は実践ですね。何回もやらないと分からないところはあるので。温度の上がり具合や豆の特徴など、チーム内での情報共有もしています。
ニッシー:今、焙煎チームは7名だと聞きました。そのなかで、レギュラーを焼けるのは奥柿さんとあと一人だけだとか。
奥柿:そうですね。後進を育てていかないと、自分はなかなか異動できないです(笑)
ニッシー:何年ぐらいやると、一人前の焙煎者になれるんでしょうか。
奥柿:機械を一人で動かせるようになること自体は数ヶ月でできるようになりますが、タリーズの哲学として、機械を動かせるだけではダメだというのがあるんですね。コーヒーの味やタリーズの商品に対する考え方への理解も求めているので、味もわかるようになるまでにはやはり数年はかかりますね。
ニッシー:サンプルのL値と焙煎した豆のL値が合えばそれでいい、というものではないのですね。
奥柿:タリーズの方々や開発部の皆さんはどうすれば豆の良さを引き出せるかというのを常に考えています。そうして考えたことを実行するのが焙煎者なんですね。こういうふうに焼いたらおいしくなるんじゃないかという仮説があっても、実際にイメージ通りの味になるかどうかは焼いてみないと分かりません。
味をつくっていくときは、ここでタリーズの担当者や開発担当者と一緒にカッピング(品質を鑑定する味覚チェック)をしながら、どうしたらより豆の美味しさを引き出せる焙煎ができるかを検討しています。
カッピング専用の円卓。中華料理のテーブルのように回り、飲み比べしやすくなっています。
毎回新たな気持ちで望むシーズナル商品
安定感を求められるドリンク原料
イイオ:これだけ一生懸命考えて焙煎していると、思い入れのある商品があるのかな、と思いました。自分はこれをやったんだ、みたいな。
奥柿:思い入れがあるといえば、レギュラーでしょうか。ドリンク原料はどれが自分の焙煎したものかが分からないですが、ホールビーンの状態で販売されるレギュラーは焙煎の具合が味に直接反映されます。自分で挽いて飲む方は、コーヒーへの思いも強い方ですし。
相良工場で焙煎しているドリンク(一部、協力工場で焙煎しているアイテムも含む)
相良工場で焙煎しているレギュラー製品
奥柿:タリーズショップでは毎年シーズナル商品を出していて、原産国でコンテストを開いて金賞をとった、その年で最もいい豆だけを販売しています。パッケージに生産者の顔が書いてあるアイテムですね。これは毎年違う豆なので、データがありません。タリーズ商品はL値以外に焙煎時間などの指定もありますし、味についても色々と話し合うので、明日はタリーズの焙煎だとなると、家に帰っても何度で焼こうかなと、頭のなかはタリーズのことでいっぱいになります。
イイオ:それは大変(笑)
奥柿: ドリンク原料を焙煎することの方が多いんですが、タリーズで目指すL値はドリンク原料とはかなり違うんですね。焙煎の温度や時間については何度もディスカッションして検討していますが、最後は自分の判断です。うまく焙煎できた時は「どや!」と言いたくなるような達成感がありますね。
イイオ:やってみて目指す味と違った場合、どうやって合わせていくかというのも焙煎者が考えるんですか?
奥柿:たとえば、苦味が強かったときに温度を変えるのがいいのか、時間を変えるのがいいのかといったことについては、開発が検討してつくってくれているレシピがあるので、それを参考にします。
ニッシー:このあとで見学する開発部でも、色々話が聞けそうですね。原料の豆は農産物で、規格のものではないなかで、一定の味をつくっていくことの大変さが今回よくわかりました。
イイオ:最後にこのインタビューを読まれる、タリーズのファンの方へメッセージをお願いします。
奥柿:やっぱり、味わって飲んでもらえれば、うれしいですね。がぶ飲みというよりも、香りを楽しみながら。コーヒーの好みは人それぞれだと思いますが、伊藤園には色んな商品あるので、好きな味に巡り合えるのではないかと思います。
一度に何万倍分ものコーヒーの味が、数十秒の判断で決まる、工場での焙煎。いつも同じ味のドリンクが飲める裏には日々の条件に応じて、厳しい規格に合うように、常に焙煎をコントロールしている製造現場の皆さんの活躍があったんですね。
さて、工場内では商品開発が行われている建物があります。その研究棟にある開発部にも伺い、味づくりの現場を取材してきました。次回からは商品開発の様子をレポートしていきます!-
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コメント: 全35件
from: ラベンダ-さん
2022年04月18日 09時54分07秒
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温度とか時間とか試行錯誤の積み重ねでおいしいコ-ヒ-ができあがるんだなと
感じました。
一度に何万倍分のものコ-ヒ-の味が数十秒の判断で決まるという文言
を読み難しいパズルを解いているような感覚なんだなと感じ
感謝の気持ちを持ち飲もうと思いました。
飲むのは一瞬ですがその裏には多くの苦労があったんだなと・・・・・。
from: 葱鯖さん
2022年04月15日 01時35分48秒
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奥柿さんの職人技に感銘しました。
大量生産の為に出来る事は機械でデータ化をして平均数値を出せても、最後の焼きの明るさは熟練者の目視での判断なんですね。
毎年 豆の品質も農作物なので同じではない。だからこそ焙煎しの培ってきた経験値で決まる。
一杯のコーヒーにこんなに細かな工程を知れて勉強になりました。
いつか 工場見学もしてみたいです。
コーヒーを飲む時はゆったり味わいます!
from: もふにゃんさん
2022年04月12日 21時22分01秒
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すごいです もう職人さんの技ですね
袋を開けた瞬間の香り、豆を挽いた時の香り、ドリップした時の香り、飲んだ時の香り、これの全てに焙煎してる方の技術が…と思うと感慨深いです 私も『ハゼ』聞いてみたいです♪
from: ぷーこさん
2022年04月10日 09時41分30秒
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こんなにたくさんの商品があるの焙煎士が7人でしかもひとつの種類によっては1人の方の肩にかかっているなんて…驚きましたー‼️
そして香り、味を、見極めるのは自らの感覚…体調管理も大変だと思いました。
from: 野うさぎさん
2022年04月09日 19時02分31秒
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工場・凄いですね!!
皆さんの制服も、コーヒー色なんですね。
いろいろな製品が並んでいましたが、まだ飲んだことがないものもありました。(^^♪
from: だあきちさん
2022年04月07日 16時55分45秒
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すごいですね~
毎日、条件によって変えているなんて!!
タリーズのコーヒー博士ですね!
いつもおいしいコーヒーをありがとうございますっ!
実は、このシリーズの記事を読むようになってから、
タリーズのコーヒー飲むとき、
今まで以上にうんうん、って味わって飲むようになりました(^^)
from: みかさん
2022年04月07日 14時13分32秒
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焙煎者のこだわりや想いがとても伝わってくるインタビューでした(^^)♥️
私は普段レギュラー製品は買わないのですが、焙煎者の方のこだわりがつまった商品だと思うと味わってみたくなりますね!特にシーズナル商品✨身近でも取り扱いがあるかな?探してみたいです♪
from: とらさんさん
2022年04月06日 22時05分01秒
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すごい!機械任せではなく、焙煎者の匠の技で出来上がっていたんですね。
心して味わって頂きます。
これからもコーヒー愛好者のために頑張ってください。
タリーズコーヒー応援しています。
from: フトンターレさん
2022年04月06日 15時37分00秒
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その日の温度や湿度、豆の水分など条件は毎回異なるので何年やっても緊張されるとのこと・・・苦労がありますね。
それで美味しいコーヒーが出来上がるのでうれしいです。
これからも味わって飲んでいきます☕
from: ドラ娘さん
2022年04月06日 15時18分44秒
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焙煎している時に見学できたら、どんなに嬉しいでしょうね。
コーヒーの香りが充満して、想像しただけでも、本当に、嬉しくなりますよね。
from: 翼が欲しい虎さん
2024年08月30日 09時10分44秒
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さすがって感じがします。
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