みなさん、こんにちは！こだわり調査隊のウネです。

今回はできあがったコーヒーが皆さんのよく知っているボトル缶にいれられる、「充填（じゅうてん）」の様子をご紹介します。

大量のボトル缶が流れていく様子はいかにも工場見学！といった感じで圧巻でした。
「淹れたて」のおいしさを守る秘密にも迫ります。

■生産工程（簡略版）

コーヒーを注ぐ機械から出ている白い湯気の正体は......？

さて、ここまでたくさんの機械を通ってきたコーヒーの抽出液ですが、殺菌した後はいよいよボトルに注ぐ機械へと送られていきます。

コーヒーを缶にいれる工程は味と関係がなさそうにも思えますが、ここにもおいしさの秘密がありました。
機械のまんなかあたりに白い湯気が出ているのが見えるでしょうか......？


この白い湯気の正体はコーヒーを注いだ後、ボトルの上部に残っている酸素を追い出すために充填している「窒素」です。

この連載では何度もお伝えしていますが、酸素は品質・風味の劣化のもと。
焙煎、粉砕工程同様、品質を保持するために酸素との戦いは続きます。

コーヒーが飲料工場を出てからお店に並び、皆さんの手元に届くまでには時間がかかります。ボトル内に空気が残っていると、時間が経つにつれてコーヒーが酸化してしまうため、酸素を追い出してから蓋をします。せっかくおいしくつくったのに、開けた時には酸化しておいしくなくなっていたなんて残念すぎますからね。

ちなみに、この窒素充填の機械を少し引いてみてみるとこんな感じです。
とても大きくて、部屋の半分近くを占拠していました。


写真左側がメリーゴーランドのようにグルグル回っていてキャップをとりつけているところ、右側に写っているガラスケースはなかでボトルを洗浄しているところです。
洗浄したボトルにコーヒーを注ぎ、窒素充填して蓋を締める。
この流れは機械化されていて、1分あたり500〜600本のボトルにコーヒーが入れられるそう。すごい量ですよね！


雑菌が入り込まないように色んな方法で殺菌

食品を扱うにあたって、品質を損ねてしまう雑菌が入り込むことは何があっても避けねばなりません。そこで殺菌は念入りに行います。


こちらはボトルを寝かせて殺菌する機械を通っているコーヒーのボトルたち。

この段階では、高温で抽出したコーヒーが入ったばかりでボトルは熱々です。

ここでキャップ付近を重点的に殺菌した後はボトルにシャワーをかけて冷やしていきます。
ボトルを冷却する機械でも、最初のシャワーは殺菌を兼ねてお湯のシャワーを浴びせているそう。どれだけ殺菌するんだろう？と驚きますが、品質管理のためにも殺菌は欠かせません。


実は超重要だった！ボトルの印字の秘密

しっかり殺菌した後、箱に詰める前にまだ大事な作業があります。
それが品質検査と印字です。


できあがったばかりのボトル缶には蓋部分に何の印字もありませんが、商品を見てみるとここに必ず賞味期限や生産管理番号がついています。

手元にボトルがあったら、キャップ付近に印字された番号を探してみてください。
「A７６」という数字が見つかったら、それはここ！エスエスケイフーズ焼津工場でつくられたものなんですよ！



ボトル缶はベルトコンベアーの上を流れながら、大きな検査機を通過していきます。
検査機ではキャップがしっかりしまっているか、違う種類のキャップやボトルを使っていないかなどをチェック。

基準から外れたものは取り除かれ、無事に合格したボトルだけにガッシャンと印字されます。
印字された後も印字された日付に間違いがないか、かすれて読めなくなっていないかなどをカメラで確認しています。
こうした数々の検査をくぐり抜けて、ようやくボトル缶コーヒーは完成します。


箱詰めから出荷までは全自動！専用の機械たちが面白い

出荷して問題なしとされたボトル缶たちは、今度は段ボールに詰められていきます。


１ケースに24本を間違いなく入れ、荷積みするパレットにまとめていく工程も全自動です。
上の写真に写っているのはボトルの箱詰め工程のラインです。
それまでベルトの上に一本ずつ並んでいたボトルを6本ずつに並べ直し、１ケース分まとまったら、段ボールを成型しながら梱包します。


段ボールもまた１箱ずつベルトの上を運ばれていき、段ボールを重ねたときにずれないように小さな滑り止めをつける機械や箱の外観をチェックする機械などを通っていきます。

さまざまな専用機械の間はすべてラインでつながれています。
同じものが整然と並び、規則正しく運ばれ、少しずつ変化していく様子はそれだけで面白くて、ボーッと眺めていると、うっかり時間を忘れてしまいそうでした。

70ケースずつまとめられたら、あとはトラックに乗って出発を待つばかり。ここからコーヒーたちはまたお店を通って、皆さんのお手元へ届くまで旅を続けます。





抽出から出荷までを追った工場見学、いかがでしたか？

おうちでコーヒーをドリップするのとは違った規模感や工程が少しでも分かっていただけたら嬉しいです。

さて、今回の見学レポート、最後はこの工場で生産に携わっている担当者へのインタビューをお届けします！楽しみにお待ちください！